歯を食いしばると力が出る？

院長社本の健康コラム

歯やお口に関するケア、トラブル解決法をご紹介します。

重いものを持つときや持ち上げようとするときに、自然と歯を食いしばる。日本人では全体の6割ぐらいの人に、そのようなクセが見られるそうです。

20～30歳の男性を対象に、歯を噛みしめるときに奥歯にかかる力（咬合力）を測定したところ、最小でも約28kg、最大では100kgにもなり、平均でも59kgあることが分かりました。

日頃の食事の際に奥歯にかかる力が10～20ｋｇ程度であることを考えると、歯を食いしばるときの力の大きさが分かります。

歯を食いしばることが瞬間的に全身の筋力を増強させているという研究結果もあり、それによって全身の筋肉が緊張し、関節が固定される効果もあるようです。

運動に起因する歯科的な外傷の予防や治療、スポーツにおいて最大限に力を発揮できるように、歯とお口の観点からサポートする分野をスポーツ歯学といいます。

このスポーツ歯学によれば、力を発揮するときには、頭やアゴを含めた身体の軸となる部分が、適切な位置に固定されることが重要であるとされています。

関節が固定されることで身体の安全につながり、運動において力を出すことができるそうです。