院長社本の健康コラム
歯やお口に関するケア、トラブル解決法をご紹介します。
食べ方を工夫してむし歯予防
「食べる順番ダイエット」というものを聞いたことがある方も、多いと思います。
食事の際に食べるものの順番を工夫することで、血糖値の急激な上昇を抑え、分泌され過ぎると脂肪の分解をさまたげるなど肥満の原因となる可能性があるインシュリンの分泌を抑えるというダイエットの考え方です。
具体的には、次のような食べる順番です。
はじめに、野菜や海藻、煮物の小鉢などの食物繊維質から食べます。
つぎに、みそ汁などの汁物を食べます。
そのあとで、肉や魚などのたんぱく質を食べます。
最後に、ごはんやうどんなどの炭水化物を食べます。
この順番で食べることが血糖値を緩やかに上昇させることにつながるため、「肥満予防」に効果的な食べ方とされています。
これと同じように、実は「むし歯予防」のためにも効果的な食べ方があります。
むし歯の原因となるミュータンス菌は、食べ物に含まれる糖から酸を作ります。
この酸によって、歯の表面のカルシウムやリンが溶け出すことを「脱灰」といいます。
食事中はよく噛んで食べることで「だ液」が分泌されますが、この「だ液」の働きで、酸が中和、そして洗い流され、歯の「再石灰化」が始まります。
実は、私たちが食べ物を食べるたびに「脱灰」→「再石灰化」が繰り返し行われています。
おやつなどの間食で食べる回数が多いと、口の中が酸性に傾いている時間が長くなり、再石灰化する時間は短くなります。
そのため、食べる回数を少なくするなど、食べ方に着目することも「むし歯予防」につながります。