院長社本の健康コラム
歯やお口に関するケア、トラブル解決法をご紹介します。
お口の機能低下を予防する環境づくり
心身の健康を維持する上で重要な栄養の入り口となるのが、お口の健康です。
「お口の機能を低下させないために」ということで考えれば、毎日の食事やエクササイズは大切です。
一方で、高齢者の場合には『環境』が原因で、お口の機能低下が始まってしまうケースが少なくありません。
今回は、高齢者の『環境』を中心に、食べる機能の低下予防を考えてみたいと思います。
環境から考えると、『孤食』が最大の問題です。
高齢者は、1人暮らしや日中は1人で過ごすなど、孤食になりがちな環境があり、自分1人だし空腹を満たせれば良しという発想になりがちです。
また、調理が煩わしいことなども、手軽な食事で済ませてしまうことや食事の回数が減少しがちな原因と言えます。
食事は栄養補給だけでなく、「楽しみ」や「喜び」を得られる場でもあります。
家族みんなで食卓を囲む、気の合う仲間と食事会など、食べる機会を通じたコミュニケーションも人生の大きな楽しみや喜びになりますよね。
高齢者に特有の症状として、身近な人と死別など、周囲の環境の変化で起こる『老人性うつ病』というものがあります。
老人性うつ病では、気分が落ち込んだり、意欲や気力が低下したり、注意力が散漫になったりと、認知症とよく似た症状が現れます。
それが原因で、食欲不振につながるケースは少なくありません。
身近なご家族が、積極的にコミュニケーションを取ることも、お口の機能低下を予防することにつながります。