院長社本の健康コラム
歯やお口に関するケア、トラブル解決法をご紹介します。
歯をみがいているのにむし歯に…
「歯をみがいているのに、なんでむし歯になったのでしょうか?」
むし歯治療で歯科医院に来院した患者さんから、よく聞かれる質問です。
その原因のひとつとして、歯をみがいてはいるけど「正しく」歯をみがけていないということもありますが…
夏場に多く見られるようになるのが、「酸蝕症」(さんしょくしょう)という症状によるむし歯です。
「酸蝕症」とは、酸によって歯が溶かされてしまう症状です。
むし歯はプラーク(歯垢)が食べ物や飲み物に含まれる糖分をエサに増殖して「酸」をつくり出し、その「酸」が歯の表面を溶かすことから始まります。
夏場に多く見られるようになる酸蝕症によるむし歯は、スポーツドリンクや炭酸飲料の多量摂取により「酸」が多く口に入ることが原因となっています。
近年では「熱中症」の予防のために、こまめな「水分+塩分補給」がすすめられるようになりました。
そのため、スポーツドリンクで水分と塩分をこまめに補給する方が増えたことも、酸蝕症によるむし歯の症状が多く見られるようになった原因と考えられます。
熱中症の予防をしながら酸蝕症によるむし歯の発生を防ぐには、やはり歯みがきが最も効果的ではありますが、学校や職場などの外出先では、それも難しいという方も多いと思います。
そんなときには、酸性の飲食物をとった直後にうがいで口の中をすすぐことをおすすめします。