院長社本の健康コラム
歯やお口に関するケア、トラブル解決法をご紹介します。
「噛む」メリット
重いものを持ち上げようとするときなどに、自然と歯を食いしばりますよね?
これを「噛みしめ」と言います。
この噛みしめ、実は強い噛みしめが続くと歯に亀裂が生じることがあり、歯が欠ける原因や亀裂に細菌が入り込むことでむし歯の原因になるので、注意が必要です。
20~30歳の男性を対象に、歯を嚙みしめるときに奥歯にかかる力(咬合力)を測定したところ、平均で59kgだったそうです。
食事の際に奥歯にかかる力が10~20kg程度であることを考えると、噛みしめの力がいかに大きいものかよく分かります。
一方で、この「噛みしめ」も、強い力で頻繁に行ったりしなければ、リラックス効果があることをご存知でしょうか?
噛みしめを弱い力で少ない頻度で行えば、リラックス効果が得られます。
唾液中に分泌されるストレスホルモンを分析したところ、「1分間の軽い噛みしめを3回行う」と精神的なストレスが軽減されました。
また、食事の際の「咀嚼」(そしゃく)にもリラックス効果があります。
現代人の生活では、やわらかい食べ物が増えた結果、咀嚼回数が減ったと言われています。
ストレスを回避するには、食物を口の中に入れたら30回は噛むようにして、ひと口の咀嚼回数を増やすことが大切です。
ほかにも「噛む」ことには、だ液を分泌して口の中を中性に保つむし歯予防の効果や口臭などの原因になるドライマウスを予防する効果など、さまざまなメリットがあります。
「噛む」ことには、メリットがいっぱいです!
「噛む」習慣について、あらためて考えてみてください。