院長社本の健康コラム
歯やお口に関するケア、トラブル解決法をご紹介します。
歯ぐきから血が出ます。みがかないほうが良いですか?
「歯みがきをしていたら、歯ぐきから血が出てきた… 歯ぐきを傷つけてしまったのかもしれない。しばらく、みがかないほうが良いかな…」
そんなふうに考えたことがある方も、多いかもしれません。
しかし、結論から言うと、これは逆効果です。
歯ぐきからの出血の多くは「みがきすぎ」ではなく、「歯ぐきの炎症」のサインだからです。

◆ なぜ、歯ぐきから血が出るの?
歯と歯ぐきの境目にみがき残しがあると、そこに歯垢(プラーク)がたまります。
歯垢(プラーク)は、細菌のかたまりです。
この細菌によって歯ぐきに炎症が起こると、歯ぐきが腫れて、少しの刺激でも出血しやすい状態になります。
これが「歯肉炎」と呼ばれる状態で、歯周病の入り口です。
逆に、健康な歯ぐきは、普通に歯みがきをしたくらいでは出血しません。
つまり、「血が出る」ということは、その場所に細菌がたまっていて、歯ぐきが「助けて」とサインを出している状態なのです。
◆ みがくのをやめると、どうなる?
出血を怖がってみがくのをやめてしまうと、原因である歯垢がそのまま残り続けます。
すると炎症はさらに進み、ますます出血しやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。
そのまま放置すれば、歯ぐきの炎症だけでなく、歯を支える骨にまで影響が及ぶ「歯周病」へと進行してしまう恐れもあります。
だからこそ、歯をみがいたときに血が出る場所ほど、ていねいにみがくことが大切なのです。
◆ 正しいケアのポイント
とはいえ、ゴシゴシと力任せにみがくのは禁物です。
・やわらかめの歯ブラシを使う
・軽い力で、小刻みに動かす
・歯と歯ぐきの境目を意識してみがく

このように「やさしく、ていねいに」歯みがきを続けていくと、炎症が落ち着くにつれて、出血は少しずつ減っていくことが多いです。
◆ こんな場合は、ご相談ください
一方で、ていねいなケアを続けても出血が続く場合や歯ぐきの腫れ・痛みをともなう場合は、歯周病が進行している可能性があります。
また、出血のしやすさには、お薬や全身の状態が関係していることもあります。
セルフケアだけでは落としきれない歯石は、歯科医院でのクリーニングが必要です。

「最近、歯みがきのときに血が出るな」と感じたら、悪化する前に歯科医院を受診しましょう。